カウンセリング再発見: それはフェルトセンスから始まった
(English translation of title: Counseling Rediscovered: It all began with the felt sense) フォーカシング実践の第一人者による再構築フォーカシングの創始者ユージン・ジェンドリンから直接指導を受けた、日本のフォーカシングの第一人者による、カウンセリング理論の再構築。カウンセリングでは何が起こっているのか。カウンセリングで何が変わるのか。心の問題は「取り除く」ことも、「修繕する」こともできない。そもそも人の体験は前概念的で、あらかじめ言葉や概念で構成されていない。カウンセリングの役割は、その「いま・ここ」の体験をクライエントが理解するのを手伝い、クライエントの生に変容をもたらすことである。近代カウンセリングの祖カール・ロジャーズの理論に対する日本的誤解から、ユージン・ジェンドリンによるフェルトセンスの発見、フォーカシング指向心理療法の形成と従来の心理療法との違い、さらには著者独自のフォーカシング・メソッヅまで、理論と実践を往還しつつ説き明かす。〈目次〉第1章 フェルトセンスとは何か1 フェルトセンスはいかなる体験なのか 2 体験過程とはいかなるプロセス(作用)なのか 3 人はいつも全体を体験する―フェルトセンスと「全体」 4 意味はいかにして立ち現れるのか 5 フェルトセンスは「カラダ」の知 6 体験はいかにして生の可能性を指し示しているのか 7 フォーカシング指向心理療法とフェルトセンス革命第2章 カール・ロジャーズのカウンセリング論再発見 1 カール・ロジャーズとフェルトセンス 2 非指示的心理療法の時期――「傾聴」が否定されることになった経緯 3 クライエント中心療法の時期――中核3条件が意味するところ 4 パーソン・センタード・セラピーの時期――フェルトセンス革命はロジャーズを変えていた第3章 [理論]カウンセリングでは何が起こっているのか――体験過程モデルが描く人間観 1 心理学諸理論における人間観 2 面接事例の提示 3 カウンセリングでは何が起こっているのか――体験過程モデルの人間観第4章 エイジアン・フォーカシング・メソッヅ 1 マインドフルネスとフォーカシングをめぐる回想と展望 2 エイジアン・フォーカシング・メソッヅ(iFocusin